こんにちは。
先日は「ラーゼフォン」について色々と書いてみました。
今回は「無限のリヴァイアス」について今更ながら書いていきます。
この作品を知ったのは小学生の頃ですが、当時は私は見向きもしなかったのですがそれが正解のような気がします。
小学生でこの作品を理解してしまったらなんというか、恐ろしいです。。
この作品も高校生になってからちゃんと見ました。
所謂、鬱アニメという言葉の普及に貢献した作品でもあります。
黒田洋介さん脚本の作品ってどれも素晴らしいと思いますが、ずば抜けて私はリヴァイアスを推します。
これほど、当たり前や普通といった感覚を表現する事とその難しさを、あれだけの登場人物で描いたのは本当にすごいです。
この作品は登場人物がとても多く、またそれぞれにきちんと物語というか、見せ場があります。
閉塞された空間に子供だけが残されたときに、どのような心理状態になるかを描いた人間ドラマです。
またネーヤという存在が神秘的です。
私、エヴァとかラーゼフォンとかリヴァイアスとか、鬱気味の作品が昔から好きでした。
でもグレンラガンとかも好きです。
ただどういうわけかネガティブ要素が強い方に惹かれるようですw
という脱線した話は置いておいて、色々と書いていきたいと思います。
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無限のリヴァイアスという作品について
ざっくりとしたストーリーは、宇宙にある施設がとある事から事件に巻き込まれたことで、大人たちが死んでしまい子供たちだけで宇宙を漂流する話です。
漂流と言っても艇を操作するので、流れているのではなく運航しています。
そして、その彼らは大人の事情でそういった事件に巻き込まれ、その境遇に晒されているため救助どころか敵と戦うという事を強いられます。
そう、子供たちで集団生活して戦う必要がある作品です。
「まぁ、あるよねそういう作品」って感じると思います。
基本的に中高生くらいの年齢がアニメでは主体ですしね。
ただ何が他と違うのかと言うと、やはり現実味だと思います。
私の文章ではおそらく伝えきれませんので、気になった人は見た方が早いです。
特徴的なのは、主人公の相場昴治には何の特徴もなく「正論」を吐き続ける存在である事です。
でも、それって普通で当たり前なのですが、作中では異常な事なのです。
注目すべき内容としては、相場昴治の言うような「正論」が通じるような環境ではなくなっている事です。
エアーズ・ブルーのようにカリスマ性と暴力性で支配しようとする存在や、その支配が無くなった瞬間に累積された不満を爆発させて暴徒化する大勢のモブ。
武力による支配を捨て、ルールで管理しようとすると今度は差別が生まれました。
差別が生まれる事で、それを利用した利害関係(まぁ色を売る事)などの描写もあります。
そして、歯止めが利かなくなり、「普通が普通ではなくなった」艇内は本当に無法地帯です。
大人という存在がいない事で、崩壊していく多くの倫理観が作品から見て取れます。
その結果、尾瀬イクミが件の対応を取るわけですが、それもまた過去のトラウマを呼び覚ました結果で決して幸せな結末ではありませんでした。
彼のセリフの
「
過ちを犯すな!
揉めるな!
争うな!
詰るな!
傷つけるな!
普通でいろ!
」
このセリフのインパクトは未だに忘れられません。
かなり叫び気味で言っています。(関さん本当にすごい)
「普通」でいる事が難しい環境では、「普通」が「普通」ではないのです。
尾瀬イクミは彼らを治めるために、恐怖政治を始めたのです。
そう、本来全員が「普通」であればやる必要の無い事です。
リヴァイアスに言えるのは、何度か艇のリーダーが変わるのですが、それぞれ政治に似通っています。
- ツヴァイによる民主主義
- チームブルーによる武力支配
- 尾瀬イクミによる恐怖政治
このような変遷で物語は進みます。
この状況で主人公は「正論」を吐き続けます。
ヒロインの蓬仙あおいは、それまで唯一まともな精神状態と理性を保っていましたが、「命の危険」に晒されたことでついに精神が崩壊します。
その後、回復していますが正常な人間が「死」という「恐怖」に直面した姿はアニメではありますが、あまりにリアリティがあり過ぎて中々きついです。
ファイナ・S・篠崎に関しても、宗教的な志向の危険性や異常性を感じ取れますが、このような無法地帯に恐怖し心が弱くなっている人は救いを求め、その彼女を崇めます。
これも一つの、人や未発達な人間の心の弱さを象徴し、マインドコントロールされる姿から精神状態が「普通」ではない証です。
相場昴治という人間は最後まで「普通」を貫いた唯一の人間であり、なんの特徴もない主人公でした。
作品を楽しむうえでまとめると人物像は以下の感じです。
- 主人公である相場昴治の「普通」
- 昴治の弟である相場祐希の「コンプレックス」
- 蓬仙あおいの「優しさ」
- 尾瀬イクミの「トラウマ」
- 和泉こずえの「裏切り」
- エアーズ・ブルーの「暴力性」
- ユイリィ・バハナの「無力感」
- ファイナ・S・篠崎の「信仰」
その人物ごとに闇はあるのですが、閉鎖的な空間でそういった人同士が絡み合い、精神や倫理が崩壊していきます。
現実でも闇を抱える人は多くいますが、作中ではそういった闇が闇を産んでいく場面が描かれています。
蓬仙あおいの優しさも、結果的にそれは心に傷を負った和泉こずえには痛みでしかありませんでした。
また、和泉こずえ自身も尾瀬イクミのトラウマに触れる存在でした。
尾瀬イクミも真っ当で優秀な人間のようで、その心には深い傷と消えないトラウマを抱えて生きていました。
実際は、もっと多くのキャラクターが登場します。
なんというか、最終的にはルクスン・北条の一人勝ちな作品でもあります。
ご愛嬌という感じですねw
ただ、最後に至るまでの過程を見ると、ルクスンに良かったね~と感じるよりは悲壮感が上回りそうです。
小説版はもう続編は出ないと思いますので、今から買わなくても良いと思いますが、エロい描写が気になったら買えばよいと思いますw
本当に各話のタイトルの言葉に重みがある作品です。
ネーヤの心理描写もなかなかキツイ時もあります。
それでも「普通」でいられることの大切さが良く分かる作品です。
ちなみに音楽も素晴らしいのでぜひおすすめです。
OPは歴代アニメの中でもかなり好きな部類です。
あとは、鬱状態で見るのはあまりおすすめしないので要注意ですw
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最後に
無限のリヴァイアスについて色々書いてみました。
考察的な事や、私が感じた事が中心ですので、作品が気になったら見てみてください。
こいった子供中心の群像劇を描く作品は他にもありますが、リヴァイアスを超えるものは今のところありません。
群像劇として見たら、これ以上の作品は私の中ではありません。
問題点としては、ある程度後からリサーチしないと補填できない情報が多々ある事ですね。
後日談とかあれば嬉しいのですが。。。。
という事でサンライズさんお願いしますw
次のボーナスが出たらラーゼフォンとリヴァイアスはブルーレイ買います!!!